※前話「DECISION」のあらすじ※
| 紫衛那城を訪れた真朱（まそお）から、アム・アザゼルとシェアールの二種族が平和共存していた古代世界の話や、それについて記された古文書『瑠璃の彼方』について聞かされた瑠羽。 さらに、平和を謳歌していた古代の記憶が神の策略により封印されたことや、父の颯舞（そうま）が記憶解放のため闘い命を落としたことも知らされ、瑠羽の中に迷いが生じ始めた。 一方遼牙は、瑠羽がどのような決断を下そうとも、共に歩むことを密かに誓っていた。たとえ、そのために王位を捨てることになろうとも。 真朱と共に行くべきか、全てを忘れこれまで通りの生活を続けるべきか決められぬまま、瑠羽は遼牙と共に城を出て、遼牙の従兄弟である夕弥（ゆうや）の救出に向かった。 そのさなか、瑠羽は地の一族の族長である羅叉（らしゃ）に捕えられ、これまでの記憶を奪われてしまう。羅叉は最愛の弟を奪われたことで同族に怨みを持っており、復讐をするため瑠羽の魔力を利用しようと企んでいたのだ。 しかし瑠羽を救いに来た遼牙の機転により、瑠羽はすんでのところで記憶を取り戻す。計画が失敗し自暴自棄になった羅叉は、地の一族を滅ぼすため自ら聖地伽羅（きゃら）へ向けて強大な魔力を放った。 聖地が崩れゆくさなか、羅叉は弟が一族の未来を自分に託したことを知る。ようやく弟の真意を悟った羅叉だったが時すでに遅し。一族の聖地は今にも崩壊せんとしていた。 しかし星辰の運行を司る大天使聖オファニエルの守護により、瑠羽が魔法で聖地の崩壊を食い止めた。深く感謝した羅叉は、命をかけて瑠羽を守ることを宣言したのだった。 そして瑠羽もまた、記憶の解放に向けて真朱らと共に歩むことを決断した。遼牙はそれを了承し、自分も共に行くことを誓う。 四人の心がひとつになったと思われた瞬間、宙空に黒い渦が発生し、瑠羽の身体が吸い込まれた。 遼牙は咄嗟にその手を掴み、自らも黒き穴に呑み込まれていったのだった――― |
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